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薪と上手に付き合う方法

薪ストーブの燃料となる薪。一口に薪といっても、様々な種類があり、「どんな薪を選べばよいか」から始まります。薪の選択によって、ストーブや煙突の寿命が違ってくるからです。木は広葉樹と針葉樹に大きく分類できます。薪ストーブの薪に向いているのは広葉樹の薪。広葉樹は比重が大きいので火持ちがよいし、針葉樹に比べて、ヤニの量が少ないからです。ヤニは煙突にタールを付着させるので、針葉樹の薪ばかり使用しているとメンテナンスが大変です。薪は、含水率20%くらいに乾燥したものがベスト。また、冬に伐採した木の薪がよいといわれています。伐採後、最低、半年から一年は乾燥させたい。薪の含水率を簡単に測れるメーターも売っているので、利用してみるのもよいと思います。

種類 特徴
広葉樹 ナラ 堅木であるナラは、薪ストーブ用の薪として最適なもののひとつです。カロリーが高く、火持ちがよく、ヤニが少ないので、タールもたまりにくい。
カシ ナラ同様、比重の大きい堅木なので、火持ちのよい、非常に上質な薪です。ナラと比べて入手しづらいのが難点。
シラカバ 油脂分が豊富なシラカバは、昔から薪として重宝されてきました。皮の部分は、かまどのたきつけとして利用されてきました。
針葉樹 スギ スギの良いところは、日本を代表する木であるだけに簡単に入手できるところです。間伐材も多いので、マメに探せば安く買うことも可能です。
マツ マツの弱点は、ヤニが多いので煙突内にタールが付着しやすいことです。十分に乾燥させて、完全燃焼させるのが、タールの付着を防ぐコツです。

薪イメージ

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設置・床について

薪ストーブをどの場所に設置するにしても様々な注意が必要です。当然、床の上にそのまま薪ストーブを置くわけにはいけないので炉台が必要になってきます。単に炉台といっても何でも良いわけではありません。大まかなポイントは次の4つです。

大きさ
炉台が小さいと灰を出し入れするときに、床を焦がしてしまうこともあります
材質
材質によっては床や壁が加熱するようなことにもなりかねません
寸法
なるべく右図のように十分な寸法をとります
※各メーカーからの指定に従ってください。
強度
基礎や根太の補強など、床下の重量対策も考えておく必要があります

火事を回避するポイント

一番怖いのは火事!!薪ストーブが原因での火災のほとんどが、煙道火災と低温火災の二つに分けられます。

名称 原因 対処法
煙道火災 擬古したタールが突然発火する現象です。木が燃えるとクレオソードが発生し、クレオソードは煙突内部の温度が149℃以下に下がると凝固し、煙突の内壁にタールとなって付着。(クレオソードの結露)凝固したタールは、乾燥すると煤となり突然燃え上がることがあります。
こまめな煙突掃除!
そのためにも掃除をしやすい煙突の構造にしておくこと
低温火災 木材が炭化を起こし突然発火する現象です。80℃前後の低い温度で、ストーブ周囲(壁、床、屋根内)の可燃材料が長時間熱せられ、木材が炭化を起こし、熱せられた空気は上昇するため、二階部分の間柱や筋かいから発生することがあります。
正しい施工で防げる!
安心して使用するために施工は専門業者にお任せ!

薪ストーブのトラブルと対処法

薪ストーブを使っていると、ときにはいろいろなトラブルに見舞われます。それは施工が原因であったり、手入れが悪いのがいけなかったり、内容によって様々です。そこで、下の表ではよくあるトラブルと、その対処について、簡単に説明しています。意外と手入れの悪さによっておきるものが多いことがわかるかと思います。それほど難しいことではないので、シーズンの終わりには、必ずメンテナンスをするように心がけてください。

煙の逆流 煙突の詰まりが原因であることが一番。掃除をするに限ります。最初から逆流していた、という場合は、施工面での何かが原因だと考えられます。
煙突詰まり ダンパーを開いても、空気の流れが悪いときは、煙突が詰まっています。これも掃除が必要です。またはコンバスターの詰まりも考えられます。
扉ガラスのくもり ドアがきちんと閉まっていないのが原因。ハンドルのネジを調節するか、ガスケットが古くなっているときは、交換が必要です。
扉ガラスの汚れ エア・カーテン式のガラスでも、長い間には汚れるので、掃除をしましょう。または薪が不完全燃焼しているので、もっと乾燥させるか勢いよく燃やすことが肝心です。
ヤニだれ クレオソートが冷えると、液状のタールになり、煙突の継ぎ目などから出てくることもあります。薪の完全燃焼を心がけ、煙突内は掃除をすることです。

6つの安全チェック

建築基準法 換気に注意 消火器常備
建築基準法及び各地の火災予防条例に従って施工を行って下さい。 燃焼中、換気に十分ご注意下さい。 万一に備えて、消火器を近くにご用意下さい。
火傷に注意 煙突掃除 消耗部品交換
ストーブ、煙突は高温になります。火傷にご注意下さい。 煙突火災の防止のためにも煙突の掃除は年2回以上。 シーズンの終わりには、消耗部品を交換して下さい。

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